今月の茶道教室に於ける掛け軸は色紙に墨黒々と書かれた漢字4字で、「魚行水濁」という論語であった。読み方は「うおゆきて みずにごる」。
春になり水ぬるむ頃、魚の動きが活発さを増し、水の中を泳ぎまわる魚が幾重にも重なる。そしてそれが自然界だけでなく、人間の営みをも刺激すると、私は勝手に解釈した。
ところがである。この論語の意味は、「魚が泳ぐことで水が濁る様子から、起きたことは隠せない」だそうだ。そして、本来であれば、さらに「鳥飛毛落(とりとべば けおつ)」と続き、「魚が泳げば水は濁り 鳥が羽ばたけば羽が落ちるように、人の行動には必ず痕跡が残る」という意味になるとのこと。ああ、論語よ論語。簡潔な表現の中に、その意味たるや何と深し…..。