軍配

熊谷の菓匠「中家堂」の銘菓<軍配>を頂戴した。箱を開けると、煎餅と最中が入っていたが、いずれも軍配の形をしていた。包装には軍配の由緒として次なる説明が明記されていた。

「明治初年、中仙道武州熊谷一角に菓子舗中家堂を興した初代店主は、地元熊谷で収穫される良質な風味を生かした瓦煎餅を考案した。店舗が中仙道の一角にあったことから中仙道の「中」の字を軍扇軍配に見立て、縁起の良い形を武州が生んだ関東武士の勝運と相照らして瓦煎餅に「軍配」と銘打ち、商標の登録をした。

たしかに、煎餅にも最中にも「中」という漢字が浮き上がって見える。シンメトリーの形をした「中」。混沌とした世の中である。立派な仲裁役が出来して、問題を少しずつ改善して行ってくれないものであろうか。そう思いながら、昔ながらの香ばしい風味の煎餅をいただく。