101歳まで銀座でバーを経営しておられた有馬秀子さんの著書『今宵も、ひたすら一生けんめい』(ソニー・マガジンズ発行 2002年)を読むと、有馬ママの錚々たる交遊録がよくわかる。「もう時効だと思うので書きますが」と言って、政治家Kの嘆きを綴っていた。
~「昨晩、ある政治家(とても有名な方です)が手をついて頼んだのに、翌朝になって蓋を開けたら、その男が寝返って、自分は願っていたポストにはつけなかった」 といったものでした。その際、涙を流さんばかりに私に話してくださいました。そして、その一週間後に残念ながらお亡くなりになりました。~
政治は闇だ。政治家Kは有馬ママに嘆きを聞いてもらった。そして亡くなった。思うに、バーとはまさしく「人間の止まり木」である。