書 「生きる」

数日前の夜、某警察署に通訳に行った。署に入った時、金澤翔子さんの書がパーンと私の眼に飛び込んで来た。「生きる」と書かれていた。彼女の書体の迫力に衝撃を受けた。

私は上野の都美術館や銀座の書道展に時々行く。作品は見事だが、ああ、こんなものかとしか思わない。

繰り返しになるが、金澤翔子さんの「生きる」が警察署の中の誰もが見える1階にあったことが驚きである。悪の道に入った人、人生につまずいた人、精神的に弱っている人に、その「生きる」が眼にとまれば、きっと生き延びる力が湧いてくるはずである。