翻訳には悩みがつきものである。直訳がいいか、意訳がいいかという悩みだ。だが究極的には翻訳者の自由でいい。もしも原稿が公的な文章であれば直訳であることが要求される。いわゆる対語訳だ。一方、原稿が文学的であれば、断然、意訳をすすめる。何故ならば、読みやすいからだ。
翻訳の「翻」という漢字には、動詞として、「ひるがえる」 と 「意に反した動きをする(翻弄)」の二つの意味があるようだから、翻訳をする際、あれこれと迷ったら、最後は清水の舞台から飛び降りるような潔さで表現を決めるしかない。
このブログで「今日の翻訳」、「今日のタイ語作文」を宿題として提示しているが、それに対して5名の提出者がおられる。皆さんの表現を活かしながらの赤ペンチェックだから、解答は同じではない。言いたいことは、直訳、意訳の他に、翻訳には個人訳、自由訳、本音訳、等々が有っても許されていい。そう思う。