注意散漫

一昨日、銀行のATMへ行った時、隣のブースに90歳近い女性がいた。彼女のそばには初老の男性が立っていたが、手助けする様子は特にみられなかった。老婦人は長々と器械の前でいるだけ。男性は息子さん? あるいは福祉関係者? 老婦人よりもその男性のことが私は気になってしかたがなかった。

しかし、それ以上、詮索しても無意味だから、私は引き下ろしたお金を器械から取り出してその場を去った。すると、その男性が私を呼び止めた。彼の手は私が利用した器械を指している。何のことかと思い器械まで戻ると、警告の音がなりっぱなしであった。そこで初めて気がついた。自分のキャッシュカードを器械から引き抜くのを忘れていたことを。

その男性が注意してくれなければ面倒なことになるところであった。彼は老婦人を見守りながらも、私をもついでに……。春爛漫も近い。注意散漫になってしまった自分を反省。