先日、高田馬場のさかえ通りに入って行くと、八百屋の店先に久しくお見かけしなかった店主の姿があった。「お元気になられたのですね。良かったですね」と、私は勢い込んで話しかけた。すると、意外な言葉が返って来た。「いや、私は弟ですよ」
店主の復帰はやはり無理なことがわかり残念。しかし、弟さんが後継者として跡を継いだのだから八百屋は安泰だ。弟さんが登場するまでは、奥さんと愛猫が店番をしていた。猫はご近所をふらふらするのをやめて、リリーフ役をしっかりとつとめたわけだ。
高額で買い取るという不動産業者が現れても、その八百屋は絶対に耳を貸さない。八百屋の誇りを維持しながらさかえ通りでその存在感を確実なものにしている。