輪島塗(松と柳)

私は輪島へ行ったことがない。しかし、日頃から輪島塗の棗には親しんでいる。それは茶道教室でのこと。茶を点てながら、素晴らしい蒔絵の中棗を手に取る。その際、輪島の木地師や塗師の仕事ぶりを称賛することを忘れない。

棗の蒔絵の模様では、何と言っても「松文」が最高である。松は永遠。美しい枝ぶりの文様を見ると生きる勇気を与えられる。かつ「柳文」も捨てがたい。柳の撓り(しなり)からは多くのことを学ぶことができるからだ。

能登半島の地震は今も頻発している。おさまらないのは何故か? 被災された方達のつのる不安はいかばかりか…..。当分は駄目だろう。だが輪島塗の再起を願ってやまない。