「夏は冷やし中華」という店頭の誘いにつられて、世田谷区内の町中華に入った。注文を取りに来た店主は老人。一人でやっているらしい。食べ終わった客がカードを出した。すると店主は言った。「うちは現金のみです。カードはやってません」 客は言った。「現金、持ってないよ」
どうするんだろうとハラハラしながら聞いていると、「明日、持って来てください」と、店主。その客を信じ切る態度に驚いた。食い逃げだと思ったのは私。同じような態度で他の小さな食堂でもやっているのではなかろうか。東京はますます複雑化している。いろいろな人がいるなあと人間観察に余念がない。