自由に生けてよろしい

 昨日、「アジア女性のための生け花教室」が開催された。今年最後の花材はクリスマスがテーマ。緑は杉の葉、赤はミニシクラメンと姫りんご。白は羊歯(しだ)を乾かして白く色付けしたもの。
 「なんだ簡単じゃん」と思いきや、華道講師は生徒に別々の花器を与えながら、こうおっしゃった。「皆さん、今日は自由に生けてください。生けることを楽しんでください。花器が異なると、そして、生け方が違うと、まったく別々の花が出来上がります」
 「自由に生けてよろしい」という講師の言葉を聞いて、ほっとした。何故ならば、ずっと型に押し込められて窮屈さを覚えていたからである。
 しかしながら、自由ばかりでは心の規律が失われ我儘放題になる。願わくば、「伝統的な型が80%、そして、花に慣れて来た手で、残る20%は自由に生ける」が理想だ。ところが、花も生き物。花は言うことを聞いてくれない。経験不足の者にはあなどれない敵である。