先日、青森へ行った折り、五能線で五所川原まで行き、そこから、だるまストーブ列車で有名な津軽鉄道に乗って金木に在る太宰治(1919-1948)の生家である「斜陽館」を見物。私はとりたてて太宰のファンではないが、今年が生誕110周年という記念すべき年にあたっていたので、行ってみる気になった。
斜陽館は外から見ただけでも威圧的であったが、中に入ってからも度肝を抜かれた。津軽の大地主の家とはこういうものか…….。
「太宰治疎開の家・旧津島家新座敷」にも寄ってみた。太宰が執筆した部屋に入り、作家気取りになって、座卓の前に座った。
「津軽三味線会館」では、二人の若い女性の情熱的な演奏が披露された。津軽三味線は<叩きつける弾き方をする>という解説を聞き、あらためて、津軽の人々の激しさを知った。
青森で一緒に仕事をした方から、「ねぶたが終わると、みんな、しょぼんとします」と聞かされた。だが、それを真に受けてはいけないと思った。雪の中の半年間、津軽の人は三味線のバチを叩きつけて、常に芸を磨いている。