緊張感

昨日の午後、着物の着付け教室へ行った。15回目である。だが、自分の覚えの悪さを着付け講師にぶつけざるを得なかった。言い訳を伴いながら…..。
 「お茶の教室で着る以外、着物は一切、着ないんです。しかもお茶の仲間が帯を結んでくださるし….」
 すると、江戸時代から続いている呉服屋さんの女将がすかさず言った。
 「着物を着て町を歩くといいですよ。皆さんから見られているという刺激が必要。そうすれば緊張感が生まれて、着こなしが良くなります」
 茶道講師も、先日、似たようなことを話された。「お茶会でお点前を披露すると、そのあと、必ずや上手になっていますから」
 なるほど、緊張感が大事というわけだ。タイ語の勉強にも通じる助言である。

スラスラと発音しよう!

タイ語がスラスラと発音できない生徒が多い。タイ文字を読むのに慣れていないからである。大人は耳だけで覚えることが不得手。目で勉強するのもいいが、なるべく早く音で覚えてほしい。
 今日の出題は、単語と単語が合成されて新しい意味を持っていく過程を頭に叩き込み、それを口ずさみながら、音でも覚えて行くやり方である。
 1)หน้า หน้าที่ เจ้าหน้าที่
 2)เดิน เดินทาง กระเป๋าเดินทาง
 3)จน จนถึง จนถึงสิ้นปี
 4)ทน อดทน อดทนไม่ได้
 5)รับ รับรอง ผู้รับรอง

 まだまだたくさんあるが、仕事が舞い込んで来たので、今日はここまで。似たような出題を御自分で作ってみてください。

南池袋の古本屋

昨日、『あん』(河瀬直美監督・樹木希林主演)を観るため、9時半に池袋の新文芸坐へ行った。遠くから見ると、人が並んでいる。あわてた。しかし、彼らはパチンコ客であった。
 帰路、南池袋に在る古本屋に寄ってみた。店内の様相が変わっていた。店主に尋ねた。「アジア関係の本が一切、無くなっていますが……?」 店主は答えた。「ああ、アジアの歴史本はやめました」
 なんだか淋しい思いがした。だが古本屋が続いていることに安堵。それだけでいい。多くは望まない。
 『小林英雄対話集 直観を磨くもの』(新潮文庫 平成26年刊)を購入。対話の相手は錚々たる人物だ。三木清、三好達治、梅原龍三郎、五味康祐、横光利一、折口信夫、大岡昇平、今日出海、湯川秀樹、福田恆存、永井龍男、河上鉄太郎。私の大学受験時代の出題に出て来た文化人ばかり。読んでいると昔の世相にタイムスリップ。
 もう一冊は、『光のくだもの』(大岡信 小学館 1992年11月発行)を購入。詩人である大岡氏の言葉は研ぎ澄まされていて、ぐさりと来る。

文化(วัฒนธรรม)と 老人(ผู้เฒ่า)

「タイ語中級 水曜日18:00」のクラスは私が担当するクラスだ。いつも授業の冒頭はウオーミング・アップとして、会話をしながら、会話の中に出て来た単語を10語ばかり、タイ語で書かせている。今週の授業では、「文化 วัฒนธรรม」というタイ語を書かせた。しかし、生徒は書けなかった。何故ならば、滅多に出て来ない「ฒ ผู้เฒ่า 老人」が使われているからである。
 生徒の一人が言った。「วัฒนธรรม には、ธ ธง(旗)も出て来ますね」
 そこで、私はつけ加えた。「วัฒนธรรมไทย(タイ文化)だと、さらに、ท ทหาร(兵隊)も出て来ますよ。ถึงวัฒนธรรมไทย(タイ文化について)にすると、ถ ถุง(袋)も….。タイ語の[th音]には、いろいろな文字が有ります。単語を書いて書きまくり、しっかり覚えましょう!」

金徳洙サムルノリ・コンサート2018

昨晩、渋谷で行われた「サムルノリ誕生40周年記念 金徳洙サムルノリ・コンサート2018」へ行った。金徳洙氏のコンサートは、泰日文化倶楽部の生徒さんであるA子さんに誘われて、ほとんど毎回、聴きに行っている。
 伝統楽器奏者である金徳洙氏は舞台でいろいろと話された。「旅芸人として60年。サムルノリのグループを結成して40年。新生サムルノリのメンバーは、たとえて言えば、東京芸術大学の博士課程に匹敵する韓国の芸術大学を出ています。したがって、昔の旅芸人と大いに異なる点は、皆、英語やフランス語をしっかりと勉強していることです。音楽も基礎から徹底的に習っています。私達は日本での講演が終わると、すぐにアメリカへ行きます。アメリカの次はモスクワへ行きます」
 世界を視野に入れているサムルノリのメンバーは英語やフランス語ができる。それが彼らの胸の奥底に自信となって、海外ツアーのストレスをはねのけている。語学が出来れば憂いなし。