タイの洞窟で13名を救出中に犠牲となられた元海軍の方のお名前は、สมาน(サマーン)氏。日本のマスコミでは、サマンと短母音で書いているが、それは日本式の書き方だ。ここでは、彼の名前をタイ語で正しく書けるようにするために、長母音で書くことにする。
「สมาน」という単語を『タイ日辞典』(冨田竹二郎編纂)で調べてみた。二つの意味が有り、(1)同等の、等しい、同様の、一致した、同一の、そして、(2)合わせる、結合する、連結する、親密ならしめる、と出ていた。
(1)の意味での合成語として覚えたほうがいい単語は、สมานฉันท์(サマーナ・チャン=一致した見解、コンセンサス)と、สมานทุกข์(サマーナ・トゥック=苦しみを同じくする)。後者の意味は、まさしくサマーン氏の行動だ。
(2)の意味での合成語としては、สมานไมตรี(サマーン・マイトゥリー=友誼を結ぶ)、そして、สมานสามัคคี(サマーン・サーマッキー=一致団結する)が有る。
サマーン氏の名付け親がどなたであるのかは存知上げないが、もしご両親であるならば、我が息子は両親の期待通りに生きたことになる。最近、日本人の若夫婦が好んで我が子につけるキラキラネームとは、考え方にかなりの相違が見られる。