昨日、茶道教室に参加すると、小正月を祝って、<鶴>にまつわるお道具が取り揃えられていた。生徒さんの一人が亀甲模様の帯を締めて来られたので、茶室の中はますます目出度さを増した。
一方、ふだんあまり気にもとめない柄杓(ひしゃく)の蓋置だが、昨日、先生がご用意してくださったものは、「夜学蓋置」と言うそうだ。その名前の由来を調べて見ると、「夜に学問をする際、机上を照らす灯明の火皿の台を転用したもので、甕形の四方に火灯窓のような大小の透しがある形の蓋置」と出ていた。
昔、『蛍雪時代』という受験雑誌が有った。その時から、<蛍雪>という言葉には親しんでいたが、蛍も、雪も、中国の故事によれば、灯りを暗喩している。「蛍の光、窓の雪」もこの故事にならって作詞されたとのこと。
茶杓の裏には雪の結晶が描かれていた。雪灯りで勉強するとは、なんと風流であることよ。