小原流の月刊誌『挿花』(2015年11月 No.780)の中に、溝口政子さんという方が連載している「こころがつなぐ世界のお菓子」という欄が有り、副題として、<メキシコと日本はお菓子な兄弟>という文章を見つけた。可笑しな副題だ。そこで、興味を示して読んだ。
溝口さんの文章を要約すると以下の通りである。「メキシコにも日本のお盆のような行事が大切にされており、祭壇に砂糖菓子(アルフェニア)が供えられる。このお菓子はスペインからもたらされたものであるが、そのスペインは、イスラム帝国の支配を受けた時代に、アラビアの高度な砂糖文化を手に入れたのです。<中略> この砂糖菓子は、南蛮菓子の有平糖(あるへいとう)の一種として日本へ伝わったようです。日本とメキシコは、ともにアラビアの製法と、アラビア語の定冠詞al(アル)が付く名称をも受け継いだ兄弟と言えるのです」
この南蛮菓子、たしか、昔はお供え物でよく見かけた。「有平糖」が日本に伝来した由来をネットで調べてみると、いろいろと面白いことがわかった。ポルトガルからの多くの宣教師達が手土産に使ったようだ。かのザビエルも然り。