尾道探訪(2)

「すみません。ガソリン入れていたので遅くなりました!」と言って、M子さんが桟橋に現れた。そして、すぐに抱きついてきた。学生時代のままの素直なM子さん。お互いに14年前に戻った瞬間であった。
 向島は想像していたよりも大きかった。洋ランセンターの看板が目にとまった。すると、M子さんは、「それではちょっと寄って行きましょう」と言って、すぐに連れて行ってくれた。洋ランの苗はタイから取り寄せているとのこと。東京の値段の半額であった。庭にはバナナの葉が大きく広がり、黄色い花が咲いていた。まるでタイにいるみたい。温暖を通り越して、熱帯だ。
 向島で一番高いという高見山に案内されたが、瀬戸内海は霧がかかっていた。幻想的な島々。また、来よう。
 M子さんの家は小高い丘の上。リビングから海が見える。その景色が気に入って購入したそうだ。庭にはヤギが草を食んでいる。レモングラスを栽培して、福山市内のタイ料理店に卸しているM子さん。なかなかのやり手だ。