先日、タイ料理店のコックさんと話をする機会が有った。タイの一流ホテルでシェフをしていたとのことで、ものすごく腕がいいと周囲の人達は親指を立てる。
コック(กุ๊ก)という単語は、英語だが、タイ語では、男性の場合、พ่อครัว(ポー・クルア=台所のお父さん)、女性の場合は、แม่ครัว(メー・クルア=台所のお母さん)という。
料理長になると、フランス語のシェフを使うようだ。
ところが、私が話したコックさんは、コックになる前には、หน้าเขียง(ナー・キアング)をしていたという。私はこの言葉を知らなかった。どんな仕事をするのかと尋ねたら、シェフが料理を作るのを手伝う仕事だと説明された。よくよく考えたら、「หน้า(前)+ เขียง(まな板)=まな板の前」は、板前のことだ。
彼はリゾート地のホテルでもシェフをしていたそうだが、ナー・ハイ(ハイ・シーズン)と、ナー・ロー(ロー・シーズン)が有ったと語った。この場合の「ナー」は、季節を表す。「ナー」は同音異義語でたくさんの意味を有するから、場面をとらえながら覚えていかなくてはならない。