一昨日から個人レッスンを始められた方がおられる。彼女の胸元にシルバーの仏像のお守りがかけられていたので、「すばらしい!」と率直なる感想を申し上げると、彼女はこうおっしゃられた。
「自分で造りました」
「えっ、彫金のお仕事をなさっておられるのですか?」
「仕事ではありませんが、自分でよく造っております。鋳型で造ります。タイへ行った時、偶然にもお坊様の目にとまり、魂入れ(ทำขวัญ)をしてあげましょうと言われ、していただきました」
そう言うと、彼女はネックレスをはずし、私の掌に置いて下さった。
「お顔が実にいいですね」と、私。
「ええ、少し、私の手が入っております」
その後、仏像が曜日ごとに違う話に進んで及んでいったが、これまた偶然にも、彼女と私は同じ曜日であった。