日本橋人形町界隈

昨日、日本橋人形町へ行く用事が有った。歩いている通りの標識を見ると、「金座通り」。おや、「トンロー通り(ทองหล่อ)だわ」と、すかさずタイ語に訳してしまった。
 明治座に通じる甘酒横丁も楽しい雰囲気が醸し出されていた。三味線店の前を通ると、つい、“粋な姐さん”を思い浮かべてしまう。
 日比谷線の駅の交差点近くにある喫茶店に入った。中に入るや否や、どっしりとした風格が漂っていた。この店の名前は「快生軒」。安産の神様で有名な水天宮が近いので、赤ちゃんが元気に生まれてくるようにとつけられた名前だそうだ。創業1919年(大正8年)8月8日。あと4年で100周年! 喫茶店で100年近くも続くということは奇跡だ。
 快生軒の2つ隣りは軍鶏鍋店の「玉ひで」。創業1760年。軍鶏はしゃもと読む。このしゃもは、タイの旧名であるシャム(Siam)から由来したもの。タイで有名なあの闘鶏だ。(注:昔の日本人がサイアムとは呼ばず、シャムと呼んだ)。
 そのすぐ近くに「谷崎潤一郎生誕の地」というプレートが目にとまった。
 文豪を生ましめた土地、人形町。江戸時代からの歴史を紡ぐ町、人形町。町民の力強さがしかと感じ取れた。