2月25日(第2日目)、この日もBTSの一日乗車券(130バーツ)を買った。理由は、BTSの運賃が値上げされており、1バーツ単位の小銭が必要で、面倒くさくなっていたからである。
夕方までは特に用事がなかったので、シーロム線の新しい終点であるバンワー(บางหว้า)駅まで行ってみることにした。チャオプラヤ河を渡り、ウォンウィエンヤイ駅からさらに4駅ほど延長になっていた。昔は椰子の木ばかりが林立していたのに、今は開発、また、開発である。
終点に着くと、驚いた。さらに工事が始まっていたからである。将来的には、東洋一大きいパゴダのあるナコンパトムまで伸びるらしい。さらには、地下鉄も合流する計画が有るようだ。このバンワー駅から都心のシーロムまでは、約20分。吉祥寺から新宿へ行くくらいの便利さだ。
ホームの端に若い僧侶が一人立っているのが見えた。彼は建設工事を眺めていた。やがて、イスに座り、うつむいて、何おか考えている。私は反対ホームから写真を撮った。左端には、これから都心に向かうBTSの電車の車体。右端にはうつむく孤独な僧侶。真ん中には工事現場。このような光景を、かつて一度も想像したことがない。
椰子の木は伐採され、開発だけが進む。それにつれて、人々の生活が変わる。右往左往しないのは僧侶だけか? しかし、うつむく僧侶も2~3年後には還俗して、BTSに乗ってどこかに勤めに行っているかもしれない。