サラリーマン川柳(主催:第一生命保険株式会社)のことはかなり前から知っていたが、昨日、2013年度のベスト10を選ぶ候補作品が発表されていた。その中に、「妻不機嫌 お米と味噌汁 お・か・ず・な・し」というのが、ネットのニュースの見出しとして取り上げられていた。これは、東京オリンピック招致運動の時のあの「お・も・て・な・し」を連想させるものであることは明らかだ。
それにしても、俳句(五七五)や短歌(五七五七七)で、日本人は昔から<五音節>に親しんでいるので、いくらでも単語が作れる。余裕なし、時間なし、気力なし、そして、お金なし、等々。
「~なし」シリーズで句を詠めば、なんだかじわじわっと哀感を覚えるが、それを川柳で面白おかしく持って行くのが、これまたいい。
サラリーマンはサラリーマンで、主婦は主婦なりに、そして、老人は老人として、深い深い哀感に包まれている。哀感を詠んでいるうちに、人間や万物に対して「哀歓」の域にまで達すると、人生の妙味が濃くなり、生きている実感が持てる。