近所の鮨屋へ行くと、「うるい」という山菜を出してくれた。生まれて初めて食した。山形に親戚がいるという大将は、いつも山形県の珍しいものを付け合せとして提供してくれる。「雪の中にひっそりと隠れていたから、ほら、透き通るような白さでしょ」、と言われると、なるほど、ついつい、うっとりとした。
帰宅して、ネットで調べると、オオバギボウシという名前で、湿った場所に育つということがわかった。ラッパ状の葉先から、そのような名前がついたのであろうが、ギボウシは、橋の欄干や神社仏閣の手すりに使われている擬宝珠(ぎぼし)から由来していることは間違いない。
「アジア女性のための華道教室」で、よくギボシという葉を使って生けることがある。そのたびに、華道講師から擬宝珠から由来した名前だと説明されるので、よく頭に入っている。
早春を告げる「雪うるい」。山形の人々には自慢の食べ物らしい。