一昨日、東京国立博物館の平成館特別展示室で開催されている「クリーブランド美術館展」を観に行った。アメリカへ行った時、オハイオ州にあるクリーブランド美術館の前まで行ったが、丁度、修理中で閉館していたので、今回はどうしても観ておきたくなって出かけた。戦後処理としてやって来たGHQ所員の中に東洋美術担当者がいて、その彼の目利きによって蒐集された日本や中国の美術品がクリーブランド美術館にたくさん収蔵されていることを初めて知った。
たくさんの展示品の中から、17世紀の江戸時代に描かれた「琴棋書画図」という作品に興味を覚えた。理由は、その絵が、「人間というものは、音楽、囲碁、書物、そして、絵画に親しむべし」、と喚起しているように思えてならなかったからである。
私の場合はそのいずれにも縁が無い。楽器はからきし駄目。囲碁や将棋が面白いと言われても、一度もやったことが無い。読書といっても、まだまだ不十分。小さい時は絵画教室にも通ったりしたものだが....。
外国語が好きなので、それで生活できてはいるものの、はてさて、外国語は上記4種の中のどの部類に入るのであろうか。「書」の部類に入れるのには無理がある。新たに「語」のジャンルを追加して、21世紀に描かれる絵には、辞書を片手に、口をパクパク開けて、外国人と語り合っているモチーフの絵画が後世に残されることを希望する。