タイ語を習い始めてすぐに覚える単語は、ดี(良い)である。何故ならば、สวัสดี(こんにちは)や、สบายดี(元気な)にも、ดีという単語が入っているからだ。
ところが、このดีには、もう一つの意味があるのを御存知であろうか。いわゆる同音異義語である。
そのもう一つの意味とは、すなわち「胆嚢」である。冨田竹二郎先生の『タイ日辞典』には、第1番目の意味として、「胆嚢」が挙げられている。「良い」は第2番目に出てきている。
一昨日、20年もタイ語を勉強している生徒さんと一緒にタイ語の文字の教科書を読んでいると、ดีหมี(熊の胆嚢)とดีงู(蛇の胆嚢)という単語が出てきた。彼女は素直に言った。こんな意味があるとは!それはそうであろう。日常会話で「胆嚢」の話など出てくることはないからだ。
同音異義語はとても不思議である。どうしてこんなに関連性の無い意味があるのであろうかと首を傾げたくなる。だが、そこを面白がって覚えていくのが語学学習の妙味だ。
人間にとって胆嚢はなくてはならない大切な器官である。肝臓と十二指腸につながる器官であり、重要な役割を持っている。「良い」と「胆嚢」という両方の意味を持つ「ดี」という単語は、それはそれは深い含みを含有していることを覚えておいてほしい。休み気分が続いたが、タイ語の勉強は今日からと、肝に銘じて頑張ろう。