年の瀬の新宿

 毎年、年の瀬になると、どうにかこうにか作成した年賀状を持って新宿郵便局へ投函に行くのが私の年中行事になっている。昨日、山手線のホームから階段を降りると、人、人、人。西口改札口と東口改札を結ぶ広い通路はすべて頭、頭、頭。西口改札を出るのも容易ではなかった。
 気のせいであろうか。今年はなんだか若者が多いような感じがした。勤めを終えた若者達が淡々と故郷へと向かっている。年寄りが少なくみえるのは時間帯のせいもあろうが、よくよく考えてみると、自分自身が年をとっているのに、それを忘れていたということだ。いずれにせよ、若者パワーが伝わってきて、都会ならではの光景であった。
 人の波を逆らうようにして地下広場を歩く。すると、泰日文化倶楽部の現役の生徒さんを見つけた! すかさず声をかける。彼は格別、驚いた様子も見せず、普段通りの話し方で私に応じた。二人が立ち話をしている間にも、人の往来は渦巻のごとく続く。
 高速バスの乗り場にも若者がいっぱい。臨時バスが彼らを乗せて地方へと向かう。東京からどんどん若者達が消えていく。私も今日、久しぶりに四国へ向かうことにした。