アメリカの大学に留学していたY子さんが1年4ヶ月ぶりに、再び、タイ語を勉強し始めたので、彼女に聞いてみた。「アメリカ人と電話で話すことで、電話の英語にも慣れたことでしょうね。きっとスピードのある英語が話せるようになったのではありませんか?」
すると彼女の口からは意外な返事が戻ってきた。「アメリカでは一度も電話で話していません。すべてLINE でした」
それを聞いて、なるほど、LINEだったのか、と思った。それが世の中の趨勢であれば致し方ない。電話で話すと相手の様子がよくわかり、生の英語を聞くことができるのに…..。
タイ人との連絡もLINEが主流になってきている。タイ語の文章がタイ語で書けるようになったという話を生徒達から聞くと、それはすばらしいと素直に思う。だが、LINE一辺倒ではなくて、時には電話で話し、口をパクパク動かし、聴力を高め、次は何をしゃべろうかという考えを巡らすのも大切である。生きた会話には、いろいろな話題が飛び出し、それが思わぬ方向に発展していき、おのずから語彙力が問われるからだ。