毎年この季節になると、鳥取県在住の教え子2名が連名で、「二十世紀梨」という名前の梨を送ってくれる。東京にいると、茶色い皮の梨が多いが、私が親しんでいるのは、やはり何といっても二十世紀梨だ。梨はどんな梨でも美味しいのに、それは何故?
理由は、「二十世紀」という名称が、幼い頃からとても魅力的だったからである。明るい未来が感じとれた。そして、高度成長と共に時代を歩んで来たが、1990年以降は何が何やら分からなくなった。
21世紀に入ってからというもの、「二十世紀梨」の名称はどう変化するのかなあと気にしていたが、今も堂々と通用している。ちらしには、「二十世紀梨が鳥取県湯梨浜町で作られるようになって百年。この間、生産者の努力と工夫により日本一の生産を誇る名産品となりました」と書いてあり、「二十世紀百年樹」のすばらしい枝ぶりの写真が添えてある。
もし、品種改良して新しい梨を作るならば、「二十二世紀梨」という命名はどうだろうか。若者達に生きる希望を大いにかきたててほしいからだ。