現在、国立新美術館で開催されている「貴婦人と一角獣展」を観に行った。このタペスリーは、数年前にパリのクリュニー中世美術館で観たことがある。その時の感動があまりにも大きかったので、期待して出かけた。
だが、観客が多すぎて、ゆっくりと観ることができなかった。日本で開催される有名な展示はいつもこうだから致し方がないことは承知の上だが、それにしてもいささか残念である。
というのは、私がクリュニー中世美術館に行った時は、たまたま誰ひとりおらず、私だけが6枚のタピスリーと対峙することができた。飾られている部屋は暗く、そして、狭かったので、とても神秘的に見えた。東京の国立新美術館のだだっ広い会場に飾られると、その神秘性が拡散されているように思われた。
芸術作品は、できることならば、やはり本場へ行って観る必要性を痛感した。