人間の本質を突く劇

昨夜、「ねりま演劇を観る会」の第240回例会『夜の来訪者』(俳優座劇場プロデュース)を観た。たまたま余った券が出たため友人を誘ったところ、彼女は演劇に対してトラウマが有り、しばらく観ていないと言った。だが、一緒に来てくれた。

彼女の観劇後の感想=「お誘い頂きありがとうございます。プロって素敵です。時間をかけて訓練されたものは、さすがの一言です。心から拍手しました」

『夜の来訪者』の原作者はイギリス人作家のJ.B.Priestley で、原題は『An Inspector Calls』。事前に彼のことを調べると、私が大学時代に教わった教授もこの作家の某作品を翻訳しておられた。英文学を戯曲にすると、「人間の本質を突いて、誰もが抱える心の闇が浮かび上がる」ことがあらためてよく分かった。

今日の翻訳

タイ小学校教科書(2年生向けの仏教読本 พ.ศ.๒๕๕๓)から出題する。いろいろな動詞が多用されているので、しっかりと覚えよう。

๑. ก่อนถึงชั่วโมงเรียน เด็กๆ พากันมุงดูภาพที่ครูจริยานำมาติดที่กระดานดำเพื่อเตรียมการสอน

๒. “ภาพใครครับ คุณครูจะเล่านิทานให้ฟังใช่ไหมครับ” มานะถามอย่างสนใจ สายตาจ้องอยู่ที่ภาพเจ้าชายกำลังอุ้มหงส์ขาวซึ่งถูกธนูปักบาดเจ็บ

๓. “ครูจะเล่าเรื่องหนึ่งที่สนุกเหมือนนิทานและมีประโยชน์ต่อทุกคนด้วย นักเรียนไปนั่งที่โต๊ะให้เรียบร้อย แล้วครูจะพากันนักเรียนไปรู้จักกับเจ้าชายรูปงามองค์นี้”

๔. ครูจริยาเกริ่นนำและเล่าต่อ

ปัจฉิมลิขิต(ป.ล.) =追伸

古いプリントを整理していたら、30年前にタイ語の授業を手伝ってくれた元タイ人留学生からの手紙が見つかった。日付は1996年9月末。差し出した場所はバンコクのパヤータイ区。日本から本帰国した彼女は1ヶ月以内に、今度はドイツへ行く予定であると書いていた。

そして、手紙の最後に「ปัจฉิมลิขิต(ป.ล.)」と書き、東京の数ヵ所でタイ語を教える機会を得た感謝、及び、私の健康と幸福を祈る言葉が添えられていた。現在、彼女は50代後半。

「ปัจฉิมลิขิต (追伸)」は、ปัจฉิม(最後)+ ลิขิต(書く)からの合成語である。『タイ日辞典』(冨田竹二郎編纂)で確認していると、「ปัจฉิมโอวาท」という単語が目にとまった。意味は「仏陀の最後の教えの言葉」だそうである。「即ち、อัปปมาเทน สัมปาเทถ ぼんやりと放心することなしに、気をつけて、一切のなすべきことを実現せよ」とのこと。

台無し

最近、「台無し」という言葉に数回、接することがあった。意味としては、「駄目になる」とか、「おじゃんになる」、あるいは「面目丸つぶれ」、等々。これらがまずは頭に浮かぶ。しかし、語源を探ってみると、文字通り、「台が無い」から来ていることがわかった。

茶道講師いわく、「何事も基本が肝心」。ここでいう基本とは、「基になる台」と考えられる。毎回の稽古は同じことの繰り返しだ。所作を繰り返すことで、体が覚え手が覚える。したがって、我々は研鑽を積み、「台無し」から「台有り」を目指すのみ。語学の勉強も然り。

今日のタイ語作文

1.一昨日、地下鉄駅舎内の女性用トイレに入ったら、欧米人の男性が手を洗っていた。

2.一瞬、自分が間違えたかと思い、一旦外に出たが、赤いスカートをはいたピクトグラムが目にとまった。

3.男性用の個室が空いていなかったから、彼は急遽、女性用に入ったのであろうか?

4.あるいは彼の心は女性なのであろうか?

5.いずれにせよ、外国人が増えて来ると、トイレも安心して使えそうにないことが有り得る。

祝 創立37周年

今月(10月)、泰日文化倶楽部は創立37周年を迎えました。1988年10月に現都庁の近くでスタートした時は、都庁の新庁舎を建設している光景を見ながら教室に行っていました。都庁が丸の内から西新宿に移転したのが1991年4月。その頃には泰日文化倶楽部は高田馬場に引越しております。

毎年同じことを書いていますが、湾岸戦争、バブル崩壊、アジア通貨危機、9.11事件、リーマンショック、東日本大震災、タイの洪水、そして、コロナ、と、歴史的事件・事象とともに歩んで来ただけに、長いようでいて短い、あるいは、短いようでいていろいろなニュースに翻弄された37年でした。

泰日文化倶楽部の創立以前にはアジア・アフリカ語学院、朝日カルチャーセンター、そして、複数の大学で教えていましたが、大学の教え子に孫ができると聞いた時はびっくり。私はひいおばあさん? これからも高田馬場で、地道に泰日文化倶楽部を運営していきます。さあ、38年目の始まりだ!

続ければアート

小学生のお子さんを持つ生徒さんからとてもいい話を聞いた。夏休みに石見神楽の里(島根県)へ行き、お子さんに白い生地のお面に色を塗る体験をさせたところ、最初からうまくいかず、鬼の鼻に赤い絵の具がついてしまった。お子さんはすぐにいやになり、ほっぽり出した。

すると、お面作りの指導者がこう言ったそうだ。「今やめれば失敗のまま。しかし、最後まで頑張れば、それはアートになるよ」

すばらしい指導者だ。おそらく多くの人達にも同じ助言を与えているのであろう。何とか最後まで頑張ったお子さんは自分が作ったお面に大満足。泊まっていた旅館でもお面をかぶっていたものだから、廊下ですれ違った客達はもうびっくり。可愛いいたずらだ。

生姜あいす

東京はまだまだ暑い。9月末だというのに夏服の人達が歩いていても全く違和感がない。これ如何に?

昨日、池袋のカルディで「凍らせて食べる大人の生姜あいす」というのを見つけたので、ためしに1個だけ買ってみた。「高知県産生姜を使用」と書いてある。高知県(土佐)とくれば坂本竜馬だ。パッケージの裏表には、彼の定番の像のイラストがしっかりと描かれてあった。

賞味期限は「2026.08.18」。だが帰宅して冷凍後、夜にはもう食べた。ほてった体に生姜の清涼感がしみわたる。もう少し前にこの製品に気がつけば、今年はおそらく10数回くらいは食べたであろう。原材料名を見ると、「砂糖(タイ製造)」と明記。あっ、またタイだ。

今日の語彙

1.線を引く    2.論文を引用する

3.現役を引退する 4.くじを引く

5.引越し費用   6.引導を渡す

7.生徒を引率する 8.強引な態度

9.経済界を牽引する  10.手引書

11.痰を吸引する   12.引責辞任

百年近く続く靴店

一昨日、教室の近くに在る靴店へ行った。地元にお金を落としてあげようと思って、いつもそこで買っている。しかし、店主は余計なことを喋らないタイプなので、彼のプライバシーは知らなかった。

「最近、外国人が増えましたね。アジアの物産店だらけ」と私が言うと、店主が突然、饒舌になった。「そうなんです。外国人が増えることは嬉しくもあるんですが……。でもね、私はここで生まれ育ったんです。街の変貌にはもうついていけません。祖父は靴職人でした。店を始めたのは1928年(昭和3年)。もう少しで百年です」

彼の年齢を尋ねると83歳であった。親戚も皆、靴を販売しているとのこと。そう言えば近くの鰻店も和菓子店も創立百年を越えている。外国人勢力にうろたえている靴店の主の弁。「私がいなくなったら、この高田馬場はどのように変わりますかね?」