昨日から幕張メッセに於いて、「FOODEX 2018 第43回国際食品・飲料展」が始まったことをテレビの経済ニュースが盛んに伝えている。今年は中南米の食品が人気だそうだ。
クラゲを日本に輸出しているタイ人の来日目的が、このFOODEXを視察し、いろいろなバイヤーと交流し商談することにあったことが判明。彼から送信して来た写真には、日本人バイヤーと、「忍者の店」で仲良く食事をしている様子を伝えるものがあった。タイ人と日本人が仲良くしている光景は実にいい!
日本の高齢者は食生活のメニューが限られている。納豆、みそ汁、蕎麦、うどん、煮物、魚、漬物…..等々。だが、世界には面白い食品が有るわけだから、たまには未だ食べたことがない料理を食べて、脳と心の活性化をはかろう!
クラゲを輸出するタイ人
最近、日本にクラゲ(แมงกระพรุน)を輸出しているタイ人にお会いした。彼のお姉さんは泰日文化倶楽部の元タイ語講師。なので、彼とは20年ほど前に一緒に食事をしたことがある。風貌のいい中年になっておられた。
彼と奥様を中華料理に招待すると、メニューの写真を見ながら、クラゲを使った酢の物を注文された。そして、セブンイレブンへ行くと、冷やし中華を手に取って、具材の中のクラゲを指しながら、「このクラゲは私の会社から日本に輸出しているものです」と説明してくれた。
彼には4人のお姉さんがいる。1番目の姉は料理がプロ級。2番目の姉はトムヤムクンに使われるふくろたけを輸出。3番目の姉(泰日文化倶楽部の元講師)は弁護士、兼、会社社長。4番目の姉はフランスのリヨンでタイ料理店を経営。私はこのファミリーをみんな知っている。彼には5人のお子さんがいて、今度は子供達を連れて来たいそうだ。やり手の経営者であり、良きパパでもある。
ぶにが有る(香川県の方言)
タイ語を習っている人、そして、タイへ観光に行ったことがある日本人なら、「タムブン(功徳積み)」というタイ語を知っているはずだ。「タムブン ทำบุญ tham-bun」が、音変化(bの前の末子音がnになる傾向)により、「タンブン than-bun」と発音されるから、「タンブン」だと思っている日本人が多いが、タイ語で書くと、あくまでも「タムブン tham-bun」である。
ところで、香川県の方言に、「ぶにが有る」という表現がある。「運が有る」という意味で使う。この「ぶに buni」が、パーリ語から由来しているタイ語の「ブン บุญ = 善、福、福徳、功徳」と共通する仏教用語だということは十分に想像し得る。パーリ語では、「ブンニャ」、または、「ブニャ」と読むから、タイ語では、「ブン」、香川では、「ブニ」という発音が導入されたと思われる。
香川県は空海が生まれた県である。そして、平家の落人(おちうど)がたくさん住んでいたところだから、京ことばも残っている。由来を知れば、方言もまた楽しかりけり。
そやろ & そやな
平昌オリンピックで銅メダルを取ったカーリング娘達の「そだね」が注目を浴びている。試合中に聞こえてきたアクセントに私は違和感をもった。さらにはそれが<北海道弁>だと言うのにも首を傾げた。だが、スポーツにおける若者達の連帯感の表れだと思えば納得。
昨夜、『司馬遼太郎』(谷沢永一著 PHP研究所発行 1996年)を読んでいると、「(司馬さんは)我々に“そやろ”と同感を求めて、感覚の交流をする。そういうゆとりがありました」という文章を見つけた。
そうだ。関西人なら、「そやろ」という言葉をよく使う。それに対して、相手は「そや」とか、「そやな」と相槌を打つ。「そだね」と言うよりも、「そやな」のほうが、べたべた感が一層増し、親近感がより深まるのが関西弁だ。関東人はそれを嫌うが、「そやな」はほんわかしていい。
聴力を鍛えよう!
今日3月3日は「雛祭り」。だが、「耳の日」でもあるそうだ。それを聞くと、語学を勉強している者にとっては、「聴力の大切さ」を、今日一日、特に意識したいものである。
語学教材の広告で、「聞いているだけで話せるようになる」という広告があるが、果たして実力がつくのであろうか疑問である。英語の場合は中学からの学習歴が長いから、出来ても出来なくても、そこそこ馴染むことができるかもしれない。しかし、5つの声調を持つタイ語は聞き流すだけでは絶対に正しい発音ができない。
昨晩、「タイ語中級 金曜日19:00」で、「ต้นเดือน 上旬、初旬」を書かせたが、 ต้น(初め ton 下声)が ตน(自分 ton 平声)になっていた。タイ語の場合は声調が変わると全く別の単語になってしまう。それを意識して勉強することが肝要。今年は「聴力を鍛える!」を目標に頑張ってみてください。
おかっぱ頭
ティウ先生が、最後の授業の時に、「日本の女の子はおかっぱ頭が好きですね。私にはわかりません」と言って、白板に絵を描いた。大きな額に何本も髪の毛をそろえた絵であったが、目と口は顔の下のほうに小さく、細く、ちょんちょんと並べるだけ。彼女の日本女子に対するイメージはそんな感じであったのか……。
ところで、おかっぱ頭の髪型をタイ語では「馬の顔 หน้าม้า」と言うそうだ。馬の頭の髪の毛が馬の顔にきれいに並んでいるからとのこと。白板に絵を描いたのはそのための理解を導入するためであった。
私は市松人形の写真を見せて、日本人はこの人形が大好きであることをティウ先生に教えてあげたが、反応はなかった。やはり、おかっぱ頭が嫌いなのであろう。
「馬の顔 หน้าม้า」には、もう一つの意味がある。客を誘う時に使うあの「さくら」のことだ。馬肉のことを別名「桜肉」というが、この語源の由来は諸説様々。おっと、おかっぱ頭から桜肉に脱線すると、話がとまらないので、今日はこれで終わりとしよう。
ティウ先生 有難う!
昨日の授業を最後に、ティウ先生が泰日文化倶楽部を去られた。今月末、東京医科歯科大学で博士号取得の暁にはチェンマイへ戻り、チェンマイ大学の先生になるべく、その準備段階に入られるそうである。
ティウ先生は30代半ば。とても落ち着いたチェンマイ女性だ。生徒達の評価では、ゆっくりと教えてくださったので分かりやすかったそうである。
生徒の皆さん、チェンマイに行かれた際には、是非ともチェンマイ大学にティウ先生を訪ねてみてください。
「タイ語中級 水曜日18:00」のクラスの生徒達はもう10年以上も泰日文化倶楽部に通って来られている。したがって、彼らは10人以上の先生に教わっているが、それはそれでいい経験だと思う。タイ人と言っても、皆、タイプがちがう。それぞれの講師から、「それぞれのタイ」を体得すればいいと思う。
吉川先生と習うのが一番面白い
外国語の学習の場合、その国の人(ネイティブ)に習うのが一番いいという考え方が根強い。私もその意見に賛成だ。したがって、私はタイ人講師達に任せているが、留学生は本業が勉強することであるから、昼間の授業をお願いするわけにはいかない。そして、日本人男性と結婚しているタイ女性達も、昼間、しっかりと働いているので、これまた出講をお願いすることができない。
というわけで、「タイ語中級 火曜日10:30」のクラスは私が担当している。昨日、嬉しいことが有った。昨年7月から退会しておられた生徒さんが、ひょっこりと現れ、即、復学してくださったことだ。
このクラスの生徒達は、「いろいろな先生に習ったが、やっぱり吉川先生が一番! 教え方が上手!」と私をほめちぎってくださる。それを聞くと、私もまんざらでもない。タイ人講師達に遠慮して、裏方に徹しているが、生徒の気持ちや質問事項のもやもやが理解できるのは私、吉川だ。昨日はいつもにもまして発展的授業が展開でき、実に楽しかった。
フィギュアスケートのタイ語訳
昨晩、「タイ語中級 月曜日18:00」の生徒さんが、タイ人講師のピカピカ先生に質問をした。
「ピョンチャン・オリンピックの競技で、何に一番、関心を持ちましたか?」
すると、彼女は「สเกตลีลา サケット・リーラー」と答えた。生徒達には、サケットがソケットに、そして、リーラーがギーラーに聞こえた。さっぱりわからない。答えは「フィギュアスケート」であった。
タイ人の発音は、スキーがサキーに、ステーキがサテックに聞こえる。したがって、サケットはスケートになると想像しなくてはならない。
意外であったのは、フィギュアのことを英語ではなくて、「リーラー ลีลา」というタイ語で表したことである。「リーラー」は、タイ人が好む単語で、「美しい姿態」を意味する。タイ舞踊はリーラーでなければならない。格闘技であるタイ式ボクシングも、その技に「リーラーの美」が発揮されてこそ、芸術に昇華していくとタイ人は思っている。とても優美な単語であるから、是非とも覚えてほしい。
古布で作った宝石入れ
友人から古布で作った宝石入れを頂いた。形はマカロンのように丸い。和の趣きがある素敵なものであったので、それを写真に撮ってタイ人に送ると、彼女から質問が来た。
「ลูกบอลนี่เป็นอะไระ この丸いボールは何ですか?」
それに対して私は答えた。「ที่เก็บเพชรพลอยซึ่งทำด้วยผ้าคิโมโน ดิฉันไม่สนใจเพชรพลอยก็เลยเก็บแต่อากาศเท่านั้นค่ะ 着物の布で作った宝石入れです。私は宝石には関心がないので、空気だけ入れています」
すかさず返信が有った。「555 อากาศสำคัญมากกว่าค่ะ ถ้าไม่มีก็ตายค่ะ アハハ! 空気のほうがはるかに大切。もしも無ければ死んじゃうからね」
こういった会話をラインでタイ人と交わすのは実に楽しい。