歯型 พิมพ์ฟัน

先週の土曜日、午前中の授業でPさんから質問が有った。「歯型って、タイ語で何と言いますか? カミさんを歯医者へ連れて行くたびに、通訳で四苦八苦しています」 このクラスを教えているタイ人講師はタイでは歯科医である。目下、文科省の国費留学生として博士号取得を目指している。さっそく教えてもらった。「พิมพ์ฟัน」というそうだ。

Pさんはさらに質問を投げかけてきた。「歯の噛み合わせ具合を確かめるために、上下の歯の間に紙をはさみますよね。歯医者はカチカチしてくださいと言うのですが、擬音が難しい。何と言えばいいですか?」

タイ人講師はこう答えた。「เคี้ยว (噛む)とか、 ถูซ้ายถูขวา(左右にこする)と言えばいいでしょう」擬音語や擬態語を使いこなすのは難しい。なるほど、動詞で動きを説明したほうが分かりやすい。

今日のタイ語作文

マンション居住者のための防災に関する東京都のチラシから抜粋して出題する。

1.防災マニュアルを作成し、居住者が共有する。

2.防災訓練を定期的に実施する。

3.居住者名簿、要配慮者名簿を整備する。

4.耐震基準を満たしたマンションは、被害が軽微であれば在宅避難が可能である。

5.在宅避難を継続するためには、各家庭とマンション全体での備えが必要です。

いのち暗い時代

「いのち暗い時代になりつつあると思う。時代がそうであるばかりでなく、いま生きている人々、その一人一人において、いのちが暗くなっているように思える。時代にいのちの輝きが感じられないのも、一人一人におけるいのちの暗さの表われなのかも知れない」

この文章は、『いのちの優しさ』(高史明著 ちくま文庫 1987年)のあとがきの冒頭に書かれた一節である。発行年を見て驚いた。2025年にそっくり当てはまるではないか。著者の高史明氏は2023年7月に91歳で逝去された。彼の経験値にもとづくいのちに関する考察は、現代にもそのまま通じると言えよう。

東京は毎日のように人身事故が有る。そして電車が止まる。何とかならないものかと思うが、何とかならないのだ。いのちの尊さを自分自身に言い聞かせるにはどうすればいいか。学校では教えてくれない。

象の貯金箱

私の部屋には象グッズがたくさん有るが、その一つはプラスチックでできた象の貯金箱だ。象だからタイ製かと思いきや、あらためてよく見ると、Made in Finlandであった。おや、珍しい。道理で森林を思わせる美しい緑色をしている。

ところでこの貯金箱だが、鍵を無くしたから開けることができない。小銭しか入っていないので揺らせばジャラジャラと派手な音がする。どうせ開かないのだからと思い、お金を入れるのはもうやめている。すると貯金箱の象が話しかけてくる。これは開かないぞう。お金はためなきゃいかんぞう……、と。

いよいよになったら鍵屋へ持って行って開けてもらおうと思っているが、その時は完全にキャッシュレス化しており、小銭の使い道が無くなっているかもしれない。頼みとする神社の賽銭箱もデジタル化してしまっていることであろう。

今日の語彙

1.文字      2.文章

3.文法      4.文様

5.文化      6.文明

7.公文書     8.英文学

9.天文学    10.天文台

11.文句を言う 12.脅し文句

13.三人寄れば文殊の知恵

会津の絵ろうそく

NHKのニュースで会津若松の積雪の様子がが毎日のように報道されるので、そこに住んでおられる知人にお見舞いの電話をした。彼はもうすぐ80歳。一人暮らしである。はっきり言って、会津弁は聞き取りにくいが、わからないところは気にしない。時間差をおいて、彼が何を言ったかを類推した。

事前に会津若松の情報を調べると、毎年催される「絵ろうそくまつり」が大雪の影響で中止になっていた。絵ろうそくとは、字の如く、ろうそくに絵を描いたもの。会津では、花が無い冬場に於いて、絵ろうそくが仏前に供える花の代用として好まれたとのこと。そして南天の花は難を転じさせ、福寿草の花は長寿をもたらしめるものと信じられている。

ネットで調べると、会津の蝋燭(ろうそく)作りは室町時代からの伝統工芸であり、そして一説には、結婚式を表す「華燭の典」も、美しい花が描かれたこの会津の絵蝋燭から由来しているということが書かれてあった。

うろ覚え/うる覚え

情報過多の現代。チラ見の毎日~。よって、うろ覚え状態が続く。肝心な時に単語や名前が思い出せず、イライラがつのる。

最近、ネットの書き込みの中に、「うる覚え」という表現を見た。「うろ覚え」の書き間違いだろうと思ったが、念のために調べてみると、「うろ覚えが正しいが、茨城県の一部ではうる覚えというところが有るから方言である」と書いてあった。

「うる覚え」と言う方達は、おそらくそれが方言であるとは思っていないであろう。会話をしている時には誰しもがさっと聞き流すだけ……。方言か否かの詮索はしない。だが、文字に書いたらやはり違和感が有る。

今日の翻訳

現役の生徒さんからタイ語版の『ノルウェイの森』を頂戴した。タイ語の勉強のために、冒頭の部分だけ、以下に出題することを、原作者(村上春樹氏)、タイ人翻訳者(นาย นพดล เวชสวัสดิ์)、及び、両国の出版社にお許し願いたい。

๑. ในตอนนั้น ผมอายุได้ 37ขวบปี นั่งบนเบาะ เข็มขัดนิรภัยคาดรัดติดที่นั่งในเครื่องบินโบอิงยักษ์ 747 บินฝ่าปุยเมฆมุ่งหน้ามายังท่าอากาศยานฮัมบูร์ก

๒. ฝนหนาวเหน็บของเดือนพฤศจิกายนชะล้างผิวเปลือกโลก ให้ภาพชื้นแฉะชวนหดหู่มาดเยอรมัน

๓. เจ้าหน้าที่ภาคพื้นสวมเสื้อกันฝน ธงทิวปลิวไสวบนยอดอาคาร ป้ายโฆษณาบีเอ็มดับเบิลยู ย้อนกลับมายังเยอรมนีอีกครั้ง

๔. เมื่อเครื่องบินร่อนลงจอดพื้นดินแล้ว ดนตรีแผ่วลอยละล่องออกมาจากลำโพงเหนือศีรษะ เพลงบรรเลงออร์เคสตรา เพลง นอร์วีเจียน วูด ของบีตเทิลส์

๕. ทำนองเพลงไม่เคยพลาด ส่งระลอกหนาวเหน็บผ่านร่างจนสะท้านเยือก คราวนี้ ทำนองเพลงกระทุ้งหนักจนแทบหายใจไม่ออก

๖. ผมโน้มตัวไปข้างหน้า ใบหน้าฝังจมอยู่ในฝ่ามือที่บีบแน่นเพื่อไม่ให้กะโหลกปริแตก ไม่นานนักแอร์โฮสเตสส์เยอรมันหน้าสวย เดินมาถามผมด้วยภาษาอังกฤษว่าไม่สบายหรือไร

ワールドアトラス

私は机の上に『大きな文字のTVのそばに一冊 ワールドアトラス』(帝国書院編集部編 平成15年4月)という本を置いてある。何よりも助かるのは、文字が大きくてとても見やすいこと。まさしく本のタイトル通りだ。だが、刊行された平成15年は西暦2003年。資料は2002年までのものだから、いささか時代がかっている感が否めない。たとえば、東南アジアの地図を見ると、次のように書いてある。

バンコク(クルンテプ)、ホーチミン(サイゴン)、ヤンゴン(ラングーン)。チャオプラヤ(メナム)川、等。クルンテープではなくて、クルンテプと書いてあるところを見ると、タイ人に発音を確認しないまま、英語表記を日本人式に読んだと思われる。

一方、日本地図を見ると、「平成の市町村大合併」という資料が本の後ろに掲載されている。それによると、大合併で、ひらがな表記、またはカタカナ表記(山梨県南アルプス市)の新しい市の誕生が紹介されている。地図制作会社は、毎年、大変な作業を繰り返しながら、日本、そして、世界の情勢、趨勢とともにこれからも歩んで行く。

ちょぼ(干菓子)

京都へ行った生徒さんから「ちょぼ」という和三盆の干菓子を頂いた。菓匠の説明に因ると、「昔、祇園町や花街で働く女の子を<おちょぼ>と読んだ事から、<ちょぼ>と名付けました。可愛らしいおちょぼ口を模した赤い点が特徴的です」と書いてあった。ネットで調べると、他の菓匠では、この干菓子を「お千代宝」と称し、よく考えた目出度い漢字を当てはめているところもあった。

似通った音の単語に「チャボ」が有る。漢字で書くと「矮鶏」。愛玩用ペットとして、小型に改良された鶏だそうだが、この言葉の由来をネットで見つけた。「江戸初期にインドシナのチャンパ(占城)から渡来したのでこの名がある」

ついでに「シャモ(軍鶏)」を調べると、「江戸時代にシャム(現在のタイ)から日本に入って来た鶏で、その名前に由来する」とあった。ちょぼ、チャボ、シャモ…….。言葉遊びは面白い。