アイス先生、有難う!

昨日、アイス先生の送別会が新宿で行われた。アイス先生のご希望により、メニューは温野菜。みんなで色紙を書いて、先生の前途を祝した。
 アイス先生の留学期間は5年に及ぶ。泰日文化倶楽部でタイ語を教えてくださった期間は約2年半。
 この3月、晴れて博士号を取得され、タイへ本帰国となったことは、まことにおめでたい。そして、8月には結婚式! 二重三重の喜びで満ち溢れておられる。
 アイス先生には、土曜日3コマの授業をご担当いただいた。そして、水曜日や木曜日の夜にもピンチ・ヒッターとして出講。生徒達は全員、アイス先生が大好きである。
 留学を終えられ、たくさんの思い出を持ってお帰りになるアイス先生、どうか幸多からんことを!

職人魂の姿勢

昨日、銀座へ行った。丸の内線から銀座線へ向かう地下道を歩いていると、タイ人8名からなる御一行様とすれちがった。皆さん、なんだか東京に慣れている感じ。リピーターかもしれない。
 昼食は天ぷら店。ご招待にあずかった。大将はこの道50年。客の前で天ぷらをあげている姿がとても魅力的であった。視線は天ぷらを揚げる鍋の中に集中。少し離れたところから見ていると、首がいささか傾いている。なるほど、これぞ50年の歴史。大将の上半身の姿勢にそれを見た。
 今朝6時、金沢駅での北陸新幹線のスタートの模様がテレビ中継された。金沢駅長が天に向かって右手をまっすぐ伸ばし続けている姿がとても印象的であった。
 職業に応じていろいろな姿勢が見られる。いずれもその道、何十年という時間が作り上げた職人魂の姿勢であろう。

歳月

今月上旬、元生徒さんが出張で上京された。そこで夕食を共にしたが、彼は次のように話された。
 「私は今年、50歳になります。私がタイ語を習った時は26歳。先生が私を教えてくださった時の先生の年齢よりも、すでに越しましたよ」
 それを聞いて、感慨深く思った。
 一昨日、仕事で出かけると、お会いした方が、私のことをよく覚えているとおっしゃった。
 彼は言った。「一緒に仕事をした当時、私は20歳後半。あと2年で定年なんですよ」
 私は歳月が過ぎたことを思い知らされた。人生は短い…….。

美しい毛糸

ここ数日、東日本大震災に関連する報道がたくさんなされた。昨日(3月11日)、学習院大学の正門の前を通ると、半旗がかかげられ、哀悼の意を目白から発していた。
 数種類の新聞を読んだので、何新聞であったかメモするのを忘れたが、京都在住のドイツ女性が震災後、毎月1回、夜行バスで気仙沼まで行き、被災した女性を編物で激励し続けてきたことを知った。彼女は大学でドイツ語を教えておられるが、現地で起業した編物関連の会社をもっと軌道に乗せるために、今春からは大学を辞して、本格的に気仙沼で頑張るとのこと。
 この活動を素敵だなあと思った点は、カラー写真で紹介されたドイツの毛糸の色がそれはそれはカラフルで、人々の気持ちを明るくさせてくれるものであったことだ。
 聞いた話だが、ジム・トンプソンのシルクの染料はドイツのものが使われているそうだ。美しい色に囲まれた生活はなんとすばらしいことか。

同姓同名

昨日の午後、マッサージへ行った。だが、会員券を忘れたので、受付の方にその旨を伝えたところ、名簿でわかったので大丈夫ということになった。
 30分後、受付のカウンターを見ると、私の名前を書いた会員券が置いてあった。気をきかせて再発行してくれたと思った。だが、よく見ると、名前の漢字が間違っている。
 「有難うございます。でも、名前の漢字が違っているのですが….」
 すると、受付の方は、首を横に振って、「あなたのものではありません」という合図を送った。そうこうしているうちに、その会員券の真の持ち主が施術を終えて、私の横に立った。
 私は驚いた。同姓同名の女性だ! 私と彼女はソファーに並んで座った。彼女はお茶、私は新聞を持ちながら。
 よほど彼女に話しかけたかったが、失礼なのでやめた。それにしても不思議。この広い東京の空の下で、同姓同名の女性と5分、偶然に同席したことが。

雪室りんご

昨日、青森県つがる市のりんご農園から「雪室りんご」というりんごが送られてきた。園主と親戚であるという私の知人が依頼したことはすぐにわかったが、30ケース限定だそうだから、光栄に思っている。
 ちらしには、次のように書いてあった。「雪室りんごとは、秋に収穫したりんごを12月下旬に雪の中(かまくら)に春まで貯蔵しているりんごです。雪空は湿度が一定に保たれ、春にはみずみずしいりんごが味わえます。また、自然熟成によってりんごもより美味しくジューシーなりんごとなります」
 <自然熟成>という言葉は、何と魅力的な言葉であろうか!
 収穫したばかりのりんごはみずみずしくて美味しいが、雪の中で2~3ヶ月、眠っていたりんごもなかなかチャーミングだ。
 私に絵が描ければ、セザンヌのようにりんごをたくさん並べて描くのだが、いかんせん、それは無理。じっと眺めて、りんごの美しさに見惚れることにしよう。

タイ語の学力を再チェックしよう

3月は何かと忙しい。一人でじっくりと考える時間がほしいと思う人は私だけではないであろう。
 ところで漫然とタイ語を勉強していると、自分の学力がよくわからない。もっとしゃべりたい、上手に話したいという気持ちだけははやっても、一週間があっというまに経ってしまう。
 学習し始めてから半年、一年、と経過した方達は、区切りのいいところで、学習の成果を振り返ってみてほしい。もっと文法を知りたいと思えば、文法に関心を持とう。会話力をつけたいと思う方はタイ人講師とたくさん話すようにしよう。聴力をつけたいと思う方はタイのラジオを聞いたり、テレビを見たりしよう。書く力をつけたい方はタイ語でどんどん書こう。
 いずれにせよ、私が観察する限り、生徒の皆さんには感情表現が足りないような気がする。せめて教室の中ではオーバーなくらいの気持ちを投入して、自分を興奮させてみることである。

Tさんの笑顔

昨日、「タイ語入門 土曜日11:00」のクラスを授業終了寸前に見学した。タイからのおみやげのカップヌードルが目に入った。Tさんがタイへ行って来られたそうだ。
 「タイ語、いかがでしたか?」と尋ねると、彼は紅潮気味にすかさず答えた。
 「いや、もう、全然ちがいますね。タイ語を習ってから行くと…..。以前にも何度も行ったことがありますが、今回はタイ語がたくさん耳に入ってきました。そして、タイ文字も目にとまりました」
 Tさんの気持ちがよくわかった。そして、彼の喜びをおすそわけしていただいて、私も嬉しかった。
 タイ語をきちんと習うと、それだけタイ語が聞き取れる。タイ人に話すと、タイ人が耳をかたむけてくれる。それがまたとても嬉しい。タイ語を継続していく意欲がさらに増す。この繰り返しがたまらない。

温泉が用意した外国人のための浴衣

 数日前、NHKの昼前ニュースで、群馬県の温泉がタイ人を歓迎している様子が報道された。タイ人が露天風呂につかっている! ただし、温泉が用意した茶色の浴衣を着てだ。
 タイ人はシャワーを浴びる毎日だから、家族どうしで風呂に入る習慣はない。裸を他者には見せない。母親は子どもの体は洗うが、自分は着衣のまま。
 温泉関係者はこう語った。「これから先、日本の人口は減っていく一方。だから、外国人客の獲得に策を練らなければならないのです」
 この考え方はどこかで聞いたことがある。そうだ、日本の大学だ。学生数の減少は明らかなので、海外、とくに、東南アジアの学生に来て学んでもらいたい….。
 タイ・マッサージもいいが、日本の温泉も最高。タイ人が地方の温泉巡りをして、四季おりおりの風景を写真におさめる日はすでに到来している。

スカパー or スッカパープ(健康)

    昨日、「タイ語初級 木曜日13:00」のクラスを教えた。文型練習の中で、次なる文章が出てきた。
    「それじゃあ、家で食べたほうがいいですよ。ถ้ายังนั้น กินที่บ้านดีกว่า」
    私は提案した。この文章を言わせるための相手方の文章を想定して言ってみてください。しかし、生徒達からは反応無し。
    そこで、私が勝手に文章を作ってパパッと言ってみた。
    「外食しても美味しくないし。それに健康にもよくないし」
    生徒達は、私が使った<スッカパープ=健康>という単語を、<スカパー>と聞いたらしく、「家でスカパーを見たほうがいい」と、勝手に思い込んだ。
     末子音が聞き取れないことから起きた思いもよらない間違いに、教室が爆笑の渦と化した。