軽妙洒脱な給仕さん

 「タイ語中級 水曜日13:00」のクラスのYさんが1月にバンコクへ行かれたので、級友達が「กรุงเทพฯเป็นอย่างไรบ้าง バンコクはどうでしたか?」と尋ねた。すると彼はこう答えた。
 「クイティオ(うどん)を頼んだのに、カオマンガイ(蒸し鶏ごはん)が出てきました。そして、運んで来たタイ人からボナペティと言われました。私はクイティオではなくて、カオマンガイが出て来たことにまず驚いてしまっていましたが、ボナペティという言葉の意味がわからなかったので、ぺティが、もしかすると、辛い(เผ็ด phet)、あるいは、アヒル(เป็ด pet)かもしれないと想像しました。それにしても、とにかく解せないことばかり」
 この話を聞いて、「ボナペティ」が、フランス語であり、「召し上がれ!」という表現であることは私にはピンときた。そのタイ人は欧米人の客をたくさんあつかっているのであろう。Yさんが日本人ではなくて、欧米人に見られた可能性もある。あるいは彼がパリのレストランで働いた経験が有るのかもしれない。なかなかに軽妙洒脱な給仕さんだ。

タイ語を書こう!

 昨日は、二人のタイ人講師がかねてより諸事情で休ませてほしいと申し出ていたので、私が4クラスを代講した。こういう時も有っていいなあと思う。何故ならば、生徒達の進捗度が私の眼で観察できるからだ。
 4クラスの皆さんはいずれも根気よく継続学習をしておられるので、タイ語が好きであることは十分にわかる。そして、タイ人講師達の言っていることがほぼ聞き取れていることもわかっている。
 だが、タイ文字を正確に書くという作業があまりなされていないので、私が代講として登板する際は、必ずと言っていいほど、タイ文字を書かせる訓練をさせる。
 タイ語の場合は母音表記がたくさん有り過ぎるので、手でしっかりと書いて、頭だけではなくて、目でも指でも正誤の感覚を覚え込ませなければならない。そして、さらに気づいたことは、有気音、無気音の聞き分けが怪しいので、正確な表記が出来ない人が多い。さらには、末子音の表記が、サンスクリットやパーリ語から来たタイ語の場合、生徒達皆さん、滅茶苦茶である。書いて書いて書きまくって覚えるしかない。

ลง(下りる)vs โลง(棺)

 何かを提案された場合、それに対して「同意する」とか、「了承する」という意思を簡単に伝える便利なタイ語は「ตกลง tok-long トック・ロング」である。しかし、「ลง long ロング」の発音が、タイ人講師の指摘によると、「โลง loong ローング」になっている日本人が多いとか……。
 短母音のロングは「下りる」という意味で、長母音のローングは「棺」という意味だから、タイ人講師が聞くと、非常におかしいらしい。
 「了承します」と言うたびに、「棺桶に落ちます」と相手に言えば、そりゃあ、タイ人の皆さん、びっくりするはずだ。

発音の違いを聞き取ろう!

 昨晩、「タイ語中級 月曜日18:00」のクラスで、タイ人講師の口から父親が親戚の製薬会社に勤務しているとおしえてくれた。すると、生徒達はすぐに関心をいだき質問した。「何の薬ですか?」
 先生は「ยาแผนปัจจุบัน ヤー・ぺェーン・パッチュバン」と答えた。
 生徒は「แผน ぺェーン 上声」を、「แพง ぺェーング 平声」と聞き取り、「高い薬だ!」と言った。そこで、先生は、「違います。高いではありません。タイ式マッサージ(นวดไทยแผนโบราณ)に出て来るแผนです」と説明した。
 生徒は「แผล ですか」と鸚鵡返しに発音した。しかし、その発音だと、「แผล 傷」になってしまった。
 結局のところ、皆さんにはいずれの単語も同じように聞こえ、発音が滅茶苦茶であることがわかった。単語を聞き分けるには、ひたすら発音して、体の心底から発音と声調の違いを聞き分ける努力が必要であるということだ。

高知県に関する話 2題

 昨日、昔の生徒さん2名から夕食を誘われた。場所は新宿に在る「幡多バル」という店で、高知県6市町村(土佐清水市/大月町/黒潮町/四万十市/宿毛市/三原村)連携協定店とメニューの表紙には書いてあった。何故そこへ行ったかというと、生徒さんの一人が高知県出身であったから、そして、もう一人の生徒さん(東京人)が今年の正月に生まれて初めて四国へ行き、料理と酒を堪能して以来、高知が大好きになったという理由からであった。
 私は数日前に親戚の不祝儀が有り郷里へ帰った。ホテルでテレビを見ていると、東京では見ることができない四国の番組に興味を覚えた。それは、2017年のノーベル物理学賞を陰で支えた日本人男性は高知県出身であるという特集であった。彼の名前は山本博章氏(65歳)。30歳で渡米し、カリフォルニア工科大学で研究一筋の道を歩まれておられるが、毎年、郷里に帰って来られ、のんびりとした空気を吸っておられるとのこと。その飄々とした自然体の姿がとても印象的であった。

「タイ語入門 土曜日16:10」は頑張ってます!

 「タイ語入門 土曜日16:10」のクラスは昨年6月中旬から始めたクラスなので、もう半年を経過しているが、生徒数4名で、のんびり、楽しく勉強している。
 この4名が、何と偶然にも1月にばらばらでバンコクへ武者修行に行かれた。そこで、昨日はバンコクでの成果を尋ねてみた。Aさんは何度もタイへ行かれておられるから、聞き取りは大丈夫だったようだ。相手が言っている内容を想像する勘がそなわっている。Bさんは発音が通じなかったので、しょげた様子であった。しかし、Cさんが慰めの言葉をかけた。「教室で習った文章を一気に言った時、通じていたじゃありませんか!」、と。Aさん、Bさん、Cさんの3人は、時間を合わせて一度だけ一緒に食事をしたらしい。
 Dさんにとっては、タイ行きそのものが生まれて初めて。そのような方のタイに対する印象に私はとても興味が有る。時間が無かったので根掘り葉掘り尋ねることはできなかったが、彼の表情から察するに、タイとの相性はよかったようである。

着物の着付け

 茶道を始めたのが2年前。最初の半年間は洋服で済ませていたが、やはり茶道には着物ということで、45年前の着物を引っぱり出して着るようになった。だが、自分で帯を結ぶことができず、いつも誰かに結んでもらっている。誰かにやってもらうということは実に楽チンなことではあるが、いつまで経っても帯が結べない。
 そんな自分がいやになり、今週から近所の呉服屋さんへ着付けを習いに行き始めた。去年、105歳で他界されたあの日野原先生の「毎年、新しいことを始めることにしている」というモットーにならってだ。
 着付けの指導者は3段階に分けて教えた。まず第一段階は、私の手を取りながら帯を結んでいった。先生の手の感触がびしびしと伝わってきた。第ニ段階は、マネキンのボディーを使って、お太鼓の作り方を後部から見せてくださった。そして、第三段階は、「ご自分で全部やってごらんなさい」であった。恐る恐るやってみると、先生は「うまくできてますよ」と褒めることを忘れなかった。いい気分にさせることも、指導者の機転である。
  (お知らせ=2月1日から3日まで、地方へ行くためブログはお休みします。)

寒い と 淋しい

 今年の大寒(二十四節季)は1月20日からであった。現在、寒さは頂点に達している。したがって、大寒の上を行く極寒だ。だが、あと少しで立春を迎える。
 教室にやって来られる生徒達も、そして、タイ人講師も、「寒い หนาว」を連発。だが、生徒の発音は残念ながら明瞭ではない。上声(第5声)であるべきなのに、平声(第1声)になっている。声調が直せても、今度は、母音の長さがおかしい。長母音(naaw)ではなくて、短母音(naw)になっている。
 「寒い หนาว」の発音を矯正するついでに、日本人ができない[ng]の発音をチェックするために、「淋しい เหงา」を生徒達に言わせた。しかし、[ng]が頭子音として使われている単語は、皆さん、極めて不得手である。「寒い naaw」と「淋しい ngaw」が同じに聞こえるとのこと。
 では、最後に、[ng]から始まるタイ語を少しだけ列挙する。いずれもよく使う単語だから、早くマスターしてほしい。1)เงิน お金  2)งาน 仕事  3)ง่วงนอน 眠い 4)เหงา 淋しい 5)ง่าย 簡単な

病状をタイ語で言えるようになろう。

 昨日、半年ぶりに会ったタイ人留学生が、会う早々、体調が悪いと言った。タイから来たばかりの母親が、息子を病院に連れて行きたいと言うので、それに応じた。今日から蔵王にスキーに行くので、医者に診せて、旅行を取り止めるべきか否かを確かめたいとのことであった。診察の結果、インフルエンザではなかった。しかし、咳や鼻水、そして、痰が出ているので、薬を出していただいた。
 私はタイ人を連れて病院へ行き、通訳することに慣れているので、今回のこともすぐに応じることができた。だが、タイ人留学生は半年、日本に住んでいるので、積極的に日本語をしゃべり、医師との意思疎通も問題がなかった。私は彼が困った時だけ、助けようと横に立っているだけでよかった。
 ひるがえって考えるに、日本人がタイで体調をくずした場合、大きな病院では日本語通訳がいるから大丈夫かもしれないが、地方ではいない場合も有り得る。自分の体のことだから、タイ語で自分の症状を言えるように、今から医学用語の増強に励もう!

習い事

 昨日、泰日文化倶楽部で華道教室が実施された。私は仕事が急に舞い込んで来たため、参加がかなわなかった。「お手本となる生け方を花瓶に生けておいてください」と華道講師に電話で依頼し、午後5時過ぎに教室へ行き、お花を拝見。そして、それらを包んで家に持って帰った。
 目白駅のエレベーターの中で一人の女性と一緒になった。彼女は私が持っている花を見て、花の名前を尋ねた。「赤目柳です」と私は答えた。すると、彼女は言った。「私も昔は生け花を習っていたのですがね….」 
 その後、バスを降りて信号のところで立っていると、また一人の女性が私に話しかけてきた。「何のお花?」
 冷蔵庫の中のような寒さだが、花に関心を持ってくださる方達がぬくもりのある声かけをしてくださるのが嬉しかった。全く上達しなくても、時間とお金と気力を維持して、習い事は続けること。それこそが自分へのご褒美である。