思わぬ出会い

 生徒のSさんは50歳代前半。考えるところが有って早々に悠々自適の生活に入られた。もう働かないようなことを仰っておられたが、何と今春から新たなる職につかれた。それは大学関係の職場である。
 昨晩、授業に来られた彼にお会いすると、面白い話を聞かせてくださった。「タイ人の友達ができました。博士課程で勉学中の男性です。まさかタイ人がいるとは思ってもみませんでした」
 そこで私はすかさず言った。「それはよかったですね。彼とタイ語で話す機会ができて….」
  彼は応じた。「はい。タイ人がびっくりしていました。まさかタイ語を話す日本人がいるとは、と」
 Sさんは約8年位、泰日文化倶楽部でタイ語を勉強しておられる。学習態度はまじめそのもの。穏やかな性格の方で、級友の皆さんからの信望も厚い。大学で出会ったタイ人からもきっと好かれることであろう。

今日のタイ語作文

 東京都豊島区広報(令和5年2月号)から出題する。

1.児童虐待の相談件数が全国的に増加する中、豊島区の相談件数も増加の一途をたどっています。

2.また、虐待により幼い命が奪われる事件が後を絶ちません。

3.児童虐待は子どもの心身の成長や人格の形成に深刻な影響を及ぼす子どもに対する最も重大な権利侵害です。

4.児童虐待は以下の4つに分類されます。

5.身体的虐待、ネグレクト(育児放棄)、性的虐待、心理的虐待

声優の条件

  声優になりたい人が多い。声優プロダクションもたくさん有る。2日前、テレビで声優審査風景を見た。
 審査員が応募者に課した最初の要求は自己紹介をさせることであった。10人位の応募者が喋り終わると、審査員はすかさず言った。「皆さん全員、サ行の発音が悪いです。歯擦音の訓練が必要です」
 確かに、意識してサ行を発音しないと日本語が不明瞭になる。次なる単語を意識して発音してみよう。
 例)参加者、参列者、消費者、紹介者、視聴者、死傷者、鮨職人、推薦者、責任者、走者一掃、創始者、相思相愛
 審査員はさらに強く注意した。「皆さん、アクセントが駄目です」、と。東日本と西日本ではアクセントが違う。地方出身者が声優になるにはよほど若いうちから訓練しておく必要がある。

沖縄の人

 沖縄へ毎月飛んで行っている生徒さんがおられる。先週の授業の時、タイ女性と結婚した彼の友人がバンコクから那覇へ転職した話を聞かせてくれたが、バンコク生まれの坊やが沖縄弁のアクセントで喋っていて、子供は環境に慣れるのが早いなあと生徒さんは感心して語った。
 授業後、家の近くまで帰って来たら緊急の仕事が入った。そこでタクシーを拾った。運転手に「景気はどうですか?」と話しかけると、「コロナ禍の時よりはいいです。歩合制だから走れば走るほど給料が上がりますので….。」と答えた。「でもね、私はもう多くを望みません。普通に仕事ができればいいです。ただ唯一願うこと、それは私の故郷である沖縄の海を子供に見せたいことだけ。なにしろ海無し県である埼玉に住んでいますからね。3年前、切符まで買っていたのですが、コロナで諦めました」
 運転手さんは沖縄の人であった。彼のアクセントは沖縄を感じさせなかった。東京で働いてもう長いのであろう。

今日の翻訳

 『สวยด้วยสุขภาพ』(วาสุเทพ โอศิริ สำนักพิมพ์สื่อปัญญา 発行年不記載)から出題する。

1.การออกกำลังกายจะให้ทั้งคุณและโทษ

2.หมายความว่าการออกกำลังกายเป็นประจำสม่ำเสมอถูกต้องตามหลักการ

3.การออกกำลังกายนั้นก็จะให้คุณประโยชน์ ในทางตรงข้าม หากการออกกำลังกายนั้นไม่เหมาะสมหรือไม่ถูกต้องตามหลักการการออกกำลังกายนั้นก็อาจจะให้โทษได้

4.แต่ที่จะทำให้เกิดโทษแน่ๆ ก็คือการที่ไม่ได้ออกกำลังกายเลย หรือที่เรียกกันว่า “โรคขาดการออกกำลังกาย”

5.คนที่เป็นโรคขาดการออกกำลังกายจะมีลักษณะการเจริญเติบโตช้าและแคระเกรน อ่อนแอ มีความต้านทานโรคต่ำ เจ็บป่วบง่าย

6.สมรรถภาพทางด้านการประสานงานระหว่างกล้ามเนื้อและประสาทจะต่ำ หากอยู่ในวัยกลางคนและวัยชราผู้ที่ขาดการออกกำลังกาย จะเป็นโรคประสาทเสียดุลยภาพโดยมีอาการท้องอืดเฟ้อ อาการย่อย ท้องผูกประจำ และมีอาการของโรคทางประสาทอื่นๆ

くす玉

 6月1日午後7時少し前、「藤井聡太七冠最年少達成」の速報がテレビニュースで伝えられた。偉業! 凄すぎるが故にもうほとんど何が何だか私にはわからない。
 私にとってわかりやすかったことは、彼の出身地である瀬戸市の商店街でくす玉が割られた光景であった。そこでくす玉の由来について調べてみた。
 「くす玉は(薬玉、久寿玉)は、原義では、はや薬草、香草、香料を錦の袋に詰めて、その袋に造花などで飾り付けし、五色の糸でたらした入れ物で延命長寿、無病息災の願いが込められている。現在ではイベント用の装飾、特に割り玉を指す」
 藤井七冠は早くもすでに八冠を目指している。瀬戸市の商店街の8個目のくす玉、それは必ずや近いうちに見られるに相違ない。
 

菖蒲

 今日から6月。昔風にいえば「水無月」。ただしこれは陰暦だから、実際は6月下旬からの1ヶ月を指す。芍薬、菖蒲、燕子花(カキツバタ)、等々の花が美しい季節である。
 『季寄せ草木花 夏(上)』(中村草田男 選・監修 朝日新聞社 1981年)の中に、次なる俳句が載っていた。

 白菖蒲 明治女は 筋通す (花田いそ子)

 凛とした句だ。では、大正、昭和、平成、そして、令和の女性達は如何なる花をどう詠みこむであろうか? <菖蒲>という響きが、<勝負>に聞こえる。ぼやぼやしてはおられない。今年も早、半分の山場に来た。

今日のタイ語作文

1.気が合わない人とはつきあわないようにすればいい。

2.しかし、国際政治においてはそういうわけにもいかない。

3.国際情勢の情報収集は必要だ。

4.北朝鮮が予告通り、5月31日午前6時28分、弾道ミサイルらしきものを発射した。

5.対象地域は沖縄県方向であると発表された。

6.しかし、午前7時4分、日本には飛来しないということで、政府は避難の呼びかけ(Jアラート)を解除した。

東京からデュッセルドルフ

 ドイツ在住の友人が来日していたが、予定していた2週間の滞在期間はあっというまに過ぎて、またドイツへ戻って行かれた。彼からの帰国報告の冒頭には以下のように書いてあった。
 「予定通り、デュッセルドルフに戻りました。羽田からミュンヘンまでは韓国、中国、モンゴル….黒海….トルコ、西回りの航路でした。羽田の出発は30分遅れましたが、途中挽回し、ミュンヘンには定刻に到着。乗り継ぎもバッチシでした」
 このルートなら、私も10数年前に2回ほど飛んだことがある。だから想像しやすい。シルクロードを歩いて行くのは夢のまた夢。空路は有難い。黒海を見た時、もうヨーロッパが近いと感じた。その時は平和だった。だが今は戦争だ。

胡麻と護摩

 軽井沢へ遊びに行かれた生徒さんから「黒ごまスプレッド」というお土産をいただいた。タイ人講師は「抹茶スプレッド」を選んだ。「食べ終わった時、必ず鏡を見てくださいね」と言われたが、「大丈夫。口のまわりに黒いひげがついても誰も見ませんから」と、彼女への感謝の気持ちをジョークで返した。
 胡麻は体に良い。おひたしの上にパラパラとふりかけているのを見ると和を感じる。かつては高野山製の胡麻豆腐をよく買った。それを見ながら僧侶達の食事を思い浮かべたものだ。
 話が寺にシフトして行くと、門前仲町に在る成田山深川不動尊の「護摩焚き」の強烈な火と読経の光景に触れたくなる。「護摩」は物を焼くという意味だそうだ。天候不順で不定愁訴をとなえる人が多い。御本尊に向かって除災招福と開運厄除を願いたい。