『老嬢は今日も上機嫌』

 昨日、段ボール箱に入れてある本のチェックをしていたら、吉行和子さん(女優)の『老嬢は今日も上機嫌」(新潮社 2008年)という本が有ったので再読することにした。彼女の父と兄が作家、そして、妹も詩人であったし、彼女自身も俳句歴が長いから、文章はきりりとしていて爽やかだ。
 帯にはこう書いてあった。「過ぎていく日々、去っていく大切な人々。それでも私の人生は続く。軽やかに、上機嫌に! 芸術家一家に育った女優が綴る、真面目で、可笑しく、滋味あふれるエッセイ集」
 昨日の午後1時からNHKBSで、「おくりびと」(滝田洋二郎監督 2008年)が放映された。葬儀関連のものは嫌いなので、これまではあえてこの映画を避けていた。ところが、なんと吉行和子さんが銭湯のおかみさんとして登場しているではないか。1時間前に読んだ本の著者が、その1時間後に画面に現れるという偶然性に驚いた。