迷惑ばあさん

 先日、バス停近くの八百屋に寄った。ド派手なおばあさんがお金を支払うところであったが、観察していて傑作であった。四つ折りにした1万円札2枚が財布から転がり落ちたので、おばあさんはあわててその1枚を手で抑える。何故ならば飛んで行ってしまっては大変だから。
 会計は1,867円。「小銭が有るから出すわよ」と言って、百円硬貨を8個、10円硬貨を6個、そして、1円硬貨を7個、がま口から出して数え始めた。お店の人も老齢女性。しかし、彼女の頭は日頃から商売で鍛えられているので、さっと9千円を用意して待っている。お店の人は私のことを気の毒がって、先に対応してくれた。
 店を出ると、バスが来ている。頑張ってバスの入口まで行ったが、運転手は非情。私の前でバスのドアを閉めた。それから15分、次のバスを待った。迷惑ばあさんに時間を奪われた感が否めない。やっとバスに乗ったら、なんと迷惑ばあさんも乗り込んで来た。彼女はバスの中でも我儘を通していた。