彌縫策

  梅棹忠夫氏の『地球時代の日本人』(中央公論社 1974年)を読んだ。同書の帯には、「激動する世界情勢、たかまりゆく日本批判ーー現下の危機的状況のただなかで、われわれ日本人はいかに他の民族・他の文化を認識し、自らの方途を見定めるべきかを説く」と出版社によって書かれているが、この文章は48年後の今(2022年)でも立派に通じる。

 同書の第6章<人の心と物の世界>の中に{漂流の美学}という論考が有り、日本人に対する評価はこうである。「どちらかといえば、その場しのぎの対策はわりにうまくやるけれども、長期にわたる目的合理性と計画性という点では、あまりすぐれた国民とはいいがたいようにおもいます。<中略> いつでも、いわば彌縫策(びほうさく)--つまり、やぶれたところをあわててぬいつくろって間に合わせるーーその連続なんです」

 古代以来、日本人はこの連続であると知り、何をか言わんやである。