古書一路

 昨日、『時代の果実』(黒井千次 河出書房新社 2010年)を読んだ。本の中に、<評伝>に関する黒井氏の考察が書かれてあり、それが興味深かった。

 「評伝とは、ただ人の一生を記したものではなく、そこには書き手の評論が加わっている。というより、評論する立場から掘り起された対象の姿を捉えるのが評伝である、と考えるべきなのだろう。その意味では、相対的に、伝記はより客観的に描かれ、評伝はより主観的に綴られるかもしれぬ」

 さらに、私の興味を掻き立てたのはこの本の後表紙の裏側に貼られてある古書店のお洒落なシールであった。犬が後ろ足で立って洋書にクンクンしており、“EX・LIB*RIS”と書かれている。古書店の名前は「古書一路」。広尾で頑張っておられるようだ。