自分史

 昨日はオフだったので、雑誌『文芸思潮』をまとめて読んだ。この雑誌は、発行所が「アジア文化社有限会社」、そして、編集・発行人は五十嵐勉氏である。五十嵐氏のご厚意で、長年にわたり贈呈本として私のもとに届く。何故ならば、彼は泰日文化倶楽部の元生徒であったから……。

 この雑誌にはいつも圧倒されている。理由は、老若男女を問わず大勢の方達が小説や詩を書き、積極的に文学賞に応募しているからである。なかでも、退職後に小説を書く人が多いことがわかった。ということは、小説は小説だが、「自分史」と言っても差し支えないであろう。

 「自分史」は、書こうと思えば、誰でも一度は書ける。だが、どんなに情熱をかけて書いた作品であれ、自分の領域におさまっている限り、他者には興ざめな点も多い。いかに自分から脱し、小説の世界に持って行くかが肝心。いずれにせよ、このコロナ禍に於いて、晴耕雨読の方達が、毎日、文章を練っている。時代の転換点における小説が今から待たれる。