墨 と 黄衣

 昨日の午後、上野の都美術館へ行った。「第72回毎日書道展」に入選された茶道講師の篆刻を鑑賞するためである。昨年はコロナ禍で開催が見送られたが、それ以外はここ数年、必ずこの書道展へ行っている。その都度、圧倒されること、それは書を愛する人が何と多いことか! 会場内の4つの展示室は、墨、墨、墨の芸術と化している。

 都美術館の隣りの上野動物園はたくさんの親子連れが並んでいた。とてもほほえましい光景である。少し歩くと黄衣が目に飛び込んで来た。タイの僧侶達だ。数分前までは墨の世界に浸っていた私。炎天下に出ると、太陽の光と呼応する濃いオレンジ色の黄衣に惹きつけられた。

 このコロナ禍にタイ僧侶が観光? 質問好きな私だが、そこはぐっとこらえた。僧侶達の付き添いをしている人は、白いブラウスと黒いズボンをはいた女性の2名。私は彼らのすぐ傍を通り、彼らがタイ語を話していることを念のために確認。そして遠く離れたところから、彼らの憩う姿を写メで撮った。樹々がたくさん写っていたので、あたかもタイにいる光景にみえた。