蛍の棗

昨日、久々に茶道教室が開催された。区の文化施設の利用が6月に入ってから緩和されたからである。いつもの和室に入ると新しい畳の匂いがぷーんとした。休館中に畳替えをしてくれていたからだ。

茶道講師が用意された軸は「甘露の一滴」。香合は「唐傘」で、花は「紫陽花」。そして、茶杓の銘は「清流」。6月にふさわしい取り揃えである。茶を主催する亭主はこれらの取り合わせに一連の話を組み立て、正客との間で問答をするのが楽しみだとのこと。

黒い生地の上に金色の点々が描かれている棗は一年に使用される回数が多い。何故ならば、蛍以外にも、夏には星、冬には雪だと思えば、あら不思議、そのように見えるからである。一つの模様をいろいろなものに見立てるのは頭の体操にもなっていい。