解脱

昨日、某書を読んでいると、昔、進駐軍の将校が、「解脱という言葉を英語に訳すとどうなるか?」と、日本人の新聞記者に尋ねたくだりが書かれてあった。彼は、”salvation”と答えたそうだ。
 救世軍という単語が″salvation army”というから、アメリカ軍人達には分かりやすかったかもしれないが、なんだかキリスト教っぽくて、どうにも解せない。
 ネットの辞書で調べると、① deliverance ② emancipation from worldly attachments、③ liberation ④ release 等々、書かれてあった。しかし、やはり納得がいかない。
 ではタイ語ではどういう表現が有るかと言うと、「นิพพาน ニッパーン」(パーリ語から)である。ただし、これは正しくは涅槃の意味であり、すべての束縛、苦から解脱した結果の境地を言うとのこと。
 まだ他に解脱を指すタイ語がないかと『タイ語辞典』(冨田竹二郎編纂)を漁り始めたら、大変難しい単語が1分以内に見つかった。
 それは、「วิกขัมภนะ ウィッカムパナ:解放、解脱、廃止」。我が勘も捨てたものではない。