清掃する老人

昨日午前8時、私は都内の某駅の小さなトイレに入った。使用後、出口のところで清掃の方とぶつかりそうになった。見ると、80歳くらいの老人だ。
 私は明るく声をかけた。「おはようございます」 
 彼は「すみません」と言った。そして、「おはようございます」と応じてくれた。我々二人の間にはいい空気が流れた。
 私は仕事場へ向かう間、彼のことをずっと考えた。あのおじいさん、えらい! 朝から仕事をしている。雪の天気予報なんか関係ない。責任を持って公共の場所を掃除している。
 都知事は「不要不急・ステイホーム」としか言わない。だが、こうして人知れずきちんと仕事をしている高齢者を見ると、人が少ない時間帯に、人が少ない場所で、公共の場所を掃除することは、小遣い稼ぎにもなるし、健康面でもよい。コロナが長期化する中、何か工夫して毎日を過ごさないと、経済、健康、そして、精神もやられてしまう。