無事是貴人(禅語)

 昨日、今年最後の茶道教室に参加した。床の間に掛けられていた軸は「無事是貴人」。読み方は「ぶじこれきにん」。
 おそらく昨年もこの軸が掛けられていたはず……。茶道講師のご配慮だと思われる。「いよいよ師走を迎え、今年一年、無事に過ごせたことを喜びましょう」ということであるのは明白である。
 だが、念のため、この禅語を調べてみると、さらなる深い意味が有った。禅語としての「無事」とは、「馳求心(外に向かって求める心)をすっかり捨て切ったさわやかな境涯です。求める心を捨てるといっても、無気力無関心であれ、惰性で生きろということではありません。また財産や名誉をあくせく求めるなという表面的な戒めとも違います」
 「無事」とはいわば、「求めなくてもよいことに気づいた安らぎの境地といえます」
 長い引用になったが、この境地に達するのは難しい。しかしながら、この禅語の意味を学んだことを良しとしよう。来年の12月まで果たして実践できるかしら?