或るベトナム女性の話

 私は茶道教室の仲間と一緒に月に2回、中華料理を食べに行くが、そこにはベトナム女性がバイトしている。現在の女性は二人目だが、働きぶりを見ていると、非常に好感が持てる。一昨日、店長に訊いてみた。
「前にいたベトナム女性、新しいところで頑張っているかしら?」
 店長はすかさず答えた。「介護施設に就職できたのですが、労働環境に馴染めなくて、もう辞めたそうです。ベトナム人の恋人がいるので、二人そろってベトナムに帰るみたい」
 それを聞いて、私はそのほうがいいと思った。自分の国に帰って、幸せな家庭を築くほうがいい。介護施設で働いてくれるのは日本人にとっては有難いが、想定外のことがあって気分がふさぎこみ、ストレスがたまるようではよろしくない。
 東京は年々、恐ろしいくらい複雑化し、ストレスの坩堝(るつぼ)となっている。緑豊かなベトナムで堅実に生きるほうが確かなる幸せが得られると思う。