子供の耳

 昨日、元教え子の真珠さんと渋谷の文化村で昼食を一緒にした。彼女は尾道在住だが、黄金週間の間、家族と一緒に横浜の実家に遊びに来ておられた。
 真珠さんは長女(小学2年生)を連れて来た。長女を飽きさせてはいけないと思い、会話には気をつけたつもりだが、長女は次から次に初めて聞く単語の意味をたずねてきた。その中の一つに[コンプレックス]が有った。
 すると、母親は電子辞書を長女に渡し、「自分で調べてごらん」と言った。しばらくすると、長女は単語の意味を読み始めたが、「精神的って、なあに? よくわからない」といらだち始めた。
 私もスマホで調べてみた。「精神分析で、感情の場合、現実の意識に反する感情が抑えつけられたまま保存され、無意識のうちに現実の意識に混じり込んでいるもの。脅迫観念や夢はこの複合が象徴的に現れたもの。特に[インフェリオリティーコンプレックス(劣等感)]の略」
 これでは、難しすぎる。私は母親である真珠さんに言った。「電子辞書を与えるのではなくて、易しくて、短い言葉を適格に選んで、子供にすぐわかるように教えてあげるようにしたほうがいいわ。そうしてくださいね」