阿波藍 と 四国愛

数日前、仕事が終わったあと、門前仲町に在る和装小物屋に寄り、半襟を3枚買った。お金を支払っていると、反物や帯が見えた。店主は「平成最後のお買物として、この帯はいかがでしょう?」と勧めて来た。それほど高価ではなかったので、「そうですね。平成最後の買物としていただきましょうかね」と言って私は買った。
 その後、店主はさらに続けた。「勉強のためにこの藍の反物を見て行ってください。この阿波藍のすくも師は非常に有名な方です」
 私いつか普段着の藍の着物が欲しいと思っていたので、店主の解説をさらに聞いた。そして、店主に伝えた。「私は香川県出身です。徳島は隣りの県ですから、藍のことは昔から聞いております」
 すると、店主が「私は愛媛県出身です。家内も愛媛県」と言った。奥さんは傍らでにこにこ。それから互いに年齢を言い合うと、ほとんど同世代であることが判明。
 徳島の藍を愛媛の人が販売し、香川の人間が客として買う。なんだか四国愛が流れた出会いであった。