春の海

 昨日は立春。ゆりかもめに乗って台場方面へ行ったが、快晴の空のもと、東京湾が鏡のようにおだやかであった。すぐに与謝蕪村の「春の海 ひねもすのたり のたりかな」が頭に浮かんだ。
 ゆりかもめの中は中国人観光客でいっぱい。春節(中国正月)で来日しているのはすぐにわかった。自撮り棒を突き出して、盛んに自分や友達を撮る。電車の中でそんなことをされるのは迷惑この上ない。だが、彼女達がとても嬉しそうにしているので、目くじらをたてるのはやめた。
 仕事が終わって再びゆりかもめで新橋に戻った。新橋駅近くにある「香川・愛媛せとうち旬彩館」により、讃岐うどんを食べる。東京湾で海を見たので、瀬戸内海が恋しくなったというわけだ。
 うどんは確かに本場の味がした。しかし、出汁はやけに塩辛かった。四国の味ではない。関東人向けの味だ。残念。どんぶりは砥部焼。これはなかなか風流であった。小豆島のオリーブが入ったクリームと今治タオルを買って、そのまま家路についた。