父子鷹

昨日の第95回箱根駅伝では、選手達が第1区をスタートしてからすぐにアクシデントが起きた。大東文化大学の選手が集団の中ですぐ前を走る選手の足を踏んで転倒したからである。足に痛みをかかえて走る姿は気の毒であった。だが、最悪の状態でありながらも、彼は第2区の選手に襷をつないだ。
 テレビから、奈良監督という名前をたびたび耳にした。「奈良」という名前はなつかしい。何故ならば、私が大東文化大学へタイ語と英語を教えに行っていた頃、大東文化大が箱根駅伝で連覇し(1991年&1992年)、その時の<山のスペシャリスト>が、奈良監督であったからである。
 「大東はどうして強いの?」と、当時、誰かに尋ねたことがある。「大学の周辺(埼玉県比企郡岩殿)にはアップ&ダウンがある。毎日、遅くまで、選手達が黙々と走っているから」と教えてくれた。そこで、暮れなずむ中、選手が走る姿を私は実際に目におさめた。
 奈良監督の息子さんも大東文化の選手として、第5区を走った。まさしく父子鷹である。