献血好きなタクシー運転手

 退院してから9日が経過。電車に乗るのはまだ怖いので、タクシーばかりを利用している。一昨日、教室に行くために乗ったタクシーの運転手さんはちょっと異色な方であった。何故ならば、後部座席に座ると、助手席から客に見えるように小さな表彰状をパウチに入れてぶら下げていたからだ。「献血、100回を表彰する」という内容であった。
 運転手は言った。「もう135回、献血していますよ。しかし、来月が最後になるんだ。1月が来ると70歳になるので、もう献血ができないんだよ。150回目にまた表彰状がもらえることになっているんだが….」
 献血は男性の場合、69歳までであることを初めて知った。
 「ところで、運転手さん、骨折したこと有りますか?」と、たずねると、「有るよ」と言って、すかさずハンドルから右手を離し、指を広げて見せた。薬指と小指が曲がっていた。医者へも行かず、リハビリもしなかったかららしい。献血は好きだけど、リハビリは嫌い。そんな感じの運転手さんだった。