神田川日記(追記)

 追記したい項目が出てきたので追記する。入院中、獅子文六(1893-1969)と吉行淳之介(1924-1994)を読み、昭和の時代を回顧した。カトリック信徒の高橋たか子(1932-2013)のエッセイでは彼女の観想生活に触れることができた。阿部龍太郎の『等伯』では、安土桃山時代の絵画や茶道の流れを知った。
 考えようによっては、重病でなければ入院生活も悪くはない。何か文章が書ける。そう思った。
 私が入院していた病院は1950年(昭和25年)に開業しているので、建物は極めて古い。だが、ノンフィクション作家である澤地久枝さん(87歳)の昔の随筆を読んでいた時、彼女が若い頃に心臓の病気でこの病院に長く入院していたことが書かれてあったのを思い出した。彼女と同じ空気を吸ったこと、これを機縁に私にも文才よ、甦れ。